西原春夫元総長
2023年03月19日
西原春夫元総長が1月26日、ご逝去されました(享年94歳)。
1951年に早稲田大学第一法学部を卒業、法学部教授、常任理事等を経て、1982年から1990年まで早稲田大学第12代総長
写真は口を真一文字に結び笑顔がある
専門分野:刑法学
新元号の原案について政府が有識者から意見を聞く「元号に関する懇談会」のメンバーだった
贈従三位とされたようです。
NHKの深夜のラジオで西原氏のお話を聞く機会が有りました
93歳の時の講演で同氏はお元気の元ついて聞かれると 絶えず物事を真剣に考え脳を活性化すると体も健康になりますと答えている お話の口調は若く93歳の方のお声とは思えない 論理整然 口調なめらか 希望に満ちている 国際紛争を解決するのに武力を使ってはならない 反撃能力を身に付けるより 相手方との間で共通の協力しあえる課題を見附け協力し合う事で紛争は防げるし 防がなければならないと力説していました
早稲田大学は弁論激しい大学だと思いますが 弁論に先立つ現状認識に基づく未來創造の具体的な手法はどの様に作るのかの考え方はいろいろであり、様々な考え、手法を駆使しなければならない。然し人間社会の話あいはいつも困難なことが多い。
命ある生き物は生命の危険に敏感であり、本能的に暴力に服従する本能がある。
物理学、科学の世界とは異なり人間社会は異なる宗教と経済のシステムの価値観の違いによる競争の中で何千年も戦って来ました。
この人間社会の中で行われているのはお互いの考え方がいかに正しいかの競争になっています。
優れた思想家、科学者、哲学者、宗教家がそれぞれの考え方の正しさを論証するために懸命お努力をいています。
宗教から来る経済システム、思想から来る経済システム、その国の歴史から来る考え方はいずれも強く自己主張を行い、自己主張はすればするほど対立が激しくなります。
戦後自由と民主主義の国の経済が発展しましたが、近年絶対主義、共産主義の中国の経済発展が目覚ましく、米国を抜き世界第一位の経済異国は中国になり、軍事大国も中国になるようです。200兆円以上の預金を持つ銀行の1位から4位は中国です、日本の三菱UFJが5位に入っていますがこれからどうなるのでしょうか。
中国に経済成長を止めてくださいというお願いが出来るでしょうか
キリスト教、ユダヤ、イスラム教の方に宗教原理の絶対化を放棄してくださいということが出来るのでしょうか。
絶対主義、原理主義は一面それぞれの考え方の発展、人類思想、文化の発展発達の原動力でもあるので大変な困難が予測されます。人類は相容れない考えかたのブツカリ、戦いの中で現在まで歴史をつくり、文化、芸術、科学、医学を発展させてきました。
こうした意味では対立と抗争が一面必要とされるのが人間社会でもあるようです。
武力による国際紛争の解決は現在ウクライナで行われていますがウクライナで10万人ロシアで20万人の戦死者が出ています。
何時どのように解決するのか私にはわかりません。
人間社会のコントロールは難しものです。
国家公務員試験の2022年度の春の総合職試験全体の合格者数は、1,873人とのことですが、弁護士資格、医師資格の合格者を含め合格する人たちの長年の努力は大変なものがあると思います。
学識を究めていく人間社会の構造は限りなく進化し、並みの努力では膨れ上がる情報の中で、知識の積み上がりの中でどのようにすれば平均的な知識、教養を身に付けられるのか疑問に思える近代です。
学問を究められる人、社会で成功を収められる人、世界経済の中で平均的に国家の運営ができる国は良いのですが、平均的能力、経済力が持てない国家はこれからどのような国家運営をすれば良いのか、平均に大きく差が付く人間はどのように生きて行けば良いのか大きく疑問が育っていくのが近代であり、人間社会の未来のように思えるこの頃です。
日本人に対人折衝力と会話能力の低下がなぜ起きているのか、最近不思議に感じています。
この会話能力の低下が日本人の男性の婚姻率の低下に現れているように思えます。
現在日本の生涯未婚率は、1990年まで5%未満だったのが急上昇し、男性28.3%、女性17.8%に達しています
これでは出生率が低下するのは当然です。
何事においても意気地がなくなり自己主張ができない日本人が多くなりました。
日本の国を支える公務員も優秀なのですが、公務員との会話程つまらないものはないと思うのが実情です。会話能力がない公務員が多すぎるというのが実感です。
政治家、弁護士、医師の方にもマニュアルに支配され会話能力が低下していると思えるのが最近生活とビジネスの中で感じるところです。
ところで、現在日本には国家公務員(約 58.5 万人)地方公務員(約 274 万人)合計332.5万人の公務員が必要なようです。
西原春夫先生有難うございました。
又何かの機会に先生のお話がお聞き出来たら幸いです。
遠藤 文雄