古民家再生
2023年08月19日
古民家再生事業は、50年100年経過した建物をもとの住宅に戻すのではなく、50年100年の歴史の中で古民家の立つ地域の発展に合わせて古民家の持つ可能性を見出し、新たな目標を見つけることから始まります。
東京の都心では、1945年8月15日の終戦から日本の新たな再生に向けて数多くの、住宅、店舗、事務所が作られましたが、現在その内の一部が建築当時の状態で残されています。
こうした建物の多くが、住宅地が商業地に変貌する中で、立地の不適合を起こし利用されないままに放置されています。
東京は歴史のある街です。
江戸時代から庶民が生活し作り上げてきた街並みの中に5坪、10坪の土地に小規模ですが昔気質の職人技が生かされている古民家が有り、庶民の粋な生活が有りました。
戦後もこれらの土地に数多くの民家が建てられ豊かな生活が営まれて来ました。
ここに生活してきた人たちの多くは、さらに豊かな生活を求め都心にマンションを購入し、郊外に戸建て住宅を購入してさらに豊かな生活をしています。
豊な生活をしている方は都心の古民家を保有し、利用しないまま資産として保有されている方が沢山います。
また、永年住み慣れた家で都心の生活を楽しんでいる方もいます。
① 古民家から駐車場経営
② 古民家売却
③ 古民家をリホームして賃貸
➃→ 古民家を取壊しビル建築しビル賃貸業
⑤ 古民家を事務所。店舗として賃貸
⑥ 古民家で都心の生活を続けている方
都心の古民家は数少なくなっていますが、粋な建物が沢山あります。
不動産の有効利用にはいくつもの手法が有りますが、投資金額が少なく大きな収入が保証されることが良いことです。
古民家再生事業において、私たちは古民家を取り壊さずにそのまま賃貸することをお勧めしています。
不動産事業において郊外においてはアパート、貸家が有効な方法ですが、不動産価格、土地の資産価値は都心に行くほど大きくなり、現状では資産価値に見合う大きな収入が得られません。
店舗、事務所ビルにすれば良いのですが、建築費の高騰で期待した収入が得られないのが現実です。
一方、都心で事務所、店舗をお探しの方にとっても都心の立派なビルは家賃が高く借りることができません。
都心で創業したい、事業をしたい方は沢山います、こうした方は5坪、10坪の店舗、事務所でも喜んで借りて頂けます。
事務所の場合内装工事、設備工事はオーナーが行いますが、店舗の場合通常借り手側で行います。
私共の事務所は銀座一丁目ですが、旧の地名は木挽町です。この由来は江戸時代大工さんが多く住んでいたことによりますが、歌舞伎座周辺のこの地域は5坪、10坪の土地を利用してのS造の建物を沢山作っています。
木造住宅は数が少なくなりました。
然し、月島、佃、日本橋人形町などには木造の戸建て住宅がまだまだ沢山あります。
こうした木造住宅を事務所、店舗にして、大きな収益財産にすることが可能です。
定期借家契約にすれば、借家期間を5年、10年、15年と区切ることによりその後の土地利用計画をスムーズに行うことも可能です。
20年ほど前に皇族の梨の宮家の熱海の別荘を見たことが有りましたが、私が拝見した時はすでに素人の方のリホームが行われた後でしたので、見るも無残な状態でした。
古民家再生事業には、地域の環境、建物の評価、地域の将来性、商業的利用価値の可能性などを推し量る能力が必要です。
遠藤 文雄