都心の賃料
2024年10月21日
インフレと賃貸マンション
昭和の時代は、高度経済成長の時代でした、賃貸マンションの長期収益計画においても年間2%の賃料の上昇を見込んでの収益計算を行うのが通例でしたが平成2年のバブル崩壊により不動産価格は大幅に下落しました。
下落幅の大きい地域では不動産価格が5分の1から10分の1と下落し、これに伴い賃料も低下しましたが、不動産価格ほどは低下しませんでした。
現在政府は30年続いたデフレ経済からの脱却を図るために年2%のインフレ経済を政府目標として掲げるようになりました。
最近賃貸マンションの賃料の値上げが進行しています。
都心には住宅都市整備公団(UR)の賃貸住宅が沢山ありますが、URは東急不動産リース、ケンコーポレーション等に管理委託をしましやが、彼らは、URの従来のデザインを一新するかのように、外装、エントランスのデザインをモダンなものに変えて賃料の引き上げを始めています。
現在でも都心の賃貸マンションの賃料が高く入居希望者を悩ませているのに低所得者、住宅困窮者のために建てられた UR賃貸住宅の賃料値上げは困ったものですが、政府方針のインフレ目標に賃貸マンション、貸店舗、貸事務所も含まれますので、これから10年経ってみると賃料が20から30%上がるのかも知れません。
賃貸には賃貸期間2年で更新する普通借家契約と一定の期間(5年が多いのですが)を定めての期間満了ご更新をしない定期借家契約がありますが、将来の賃料の値上げを担保するための定期借家契約が徐々に増えてきています。
賃貸マンション、事業用貸店舗、貸事務所の賃料ですが、ここ10年値上げをしてこなかった物件が多く、ここでの入居者、テナントの入れ替えで家賃を10%から20%上乗せして貸せるようにもなっています。
こうした観点から、投資する不動産の現在賃料と将来賃料を見極める必要があります。
また、20年30年経過した建物については、今すぐのリノベーション費用と将来のリノベーション費用について検討することも必要になります。
2024.10.21 不動産コンサルティングマスター 遠藤文雄